シートカウルの割れ補修 FRP樹脂の使用方法と補修の手順を解説

エイプ100
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3年前からエイプ100に取り付けていた、シートカウルが度重なる転倒と
その場しのぎの補修で、本格的に割れてしまいました。

このままでは、割れが広がってしまいますので、FRP樹脂とガラスマットを使用して
補修したいと思います。

今回は樹脂パーツのFRP補修とリペイントの作業解説です。

宜しければ、最後までお付き合い下さい!

FRP補修ってなに?

FRPとは繊維強化プラスチックの意味で、FRP樹脂とは樹脂分であるプラスチックに
ガラス繊維などを混ぜ強度を高めた複合材料のことです。

バイクのカウルは樹脂で形成されています。
鉄パーツと違い、割れやすいですし、溶接で割れの補修は出来ませんので
樹脂パーツの修理には、FRP樹脂を利用するのが一般的です。

使用するFRP補修キット

一般に使用されるFRP補修キットは、樹脂の主剤と硬化剤、ガラス繊維がセットで販売されています。バイク用品店やホームセンターで見かける製品は、内容量とガラスマットが少なく割高です。

私はネットで、安く内容量の多いキットを見つけたので、毎回お世話になっています。

よくFRP補修する方や、FRP樹脂でパーツを作成する方は、もっと大量に購入しますが

割れたパーツの補修に使うには、これくらいの量で充分足りますし
プラスチックの容器では硬化剤は時間と共に、硬化剤のみが固まってしまいますので
このくらいの量を毎回、購入することをオススメしています。

補修するパーツの状態

中古で購入し、そのまま装着して使用してきましたが割れが進行しています。

今回は表面の塗装もやり直して、綺麗なシートカウルにしていきましょう。

作業手順の解説

切削作業

まずは、割れた箇所をベルトサンダーやグラインダーで削っていきます。

わかりやすいよう、樹脂パーツの断面を図で説明します。

割れ断面

このように完全に割れた状態です。このままFRP樹脂で固めても、樹脂の入る隙間が少なく
樹脂同士も量が少なくなり、強度が出ません。

サンダーでカットするライン

まずは、図の赤ラインのようにサンダーで割れた箇所をカットします。
カットすることで、断層剥離してしまっている割れも切除できます。

サンダーでカットしたパーツ

このように、隙間を少し広げてあげると、樹脂の入る隙間と樹脂量が多くなるので
強度が増します。

ガラス繊維と樹脂付け

カットしたパーツにFRP樹脂とガラスマットを付けていきます。

FRP樹脂付け

サンダーでカットした埃や削り粉を掃除して、密着の良い状態を作りましょう。

カットした箇所に主剤と硬化剤をしっかり攪拌したFRP樹脂を塗ります。
割れの大きさにカットしたガラス繊維をのせ、更にFRP樹脂を乗せていきましょう。

このとき、少し盛り上がる程度に樹脂を付けます。 
このまま硬化するまで、触らずに放置します。

FRPを削り整形

完全に硬化したFRP樹脂を研磨して、平らにしていきます。
前の工程で盛ったFRPを、サンドペーパーの#80程度で研磨し
徐々に番手を#80→#120→#180と上げ、ある程度、平らになれば完了です。

パテ付けと整形

FRP樹脂の工程はここまでですが、FRPのみで完全に段差を無くすことは難しいです。
パテを盛りをして平滑な面が出来るまで、整形しましょう。

こちらは私がプライベートで使用しているパテです。

板金塗装の仕事では日本ペイントのパテを使用しますが
小売りはしていないので、プライベートではソフト99のパテを使用しています。

FRP樹脂を使用する注意点

FRP樹脂を使用する際の注意点を何点かお話します。

1 手袋や保護具の着用

FRP樹脂に使用するガラス繊維は、肌に刺さりますので
必ず手袋とマスクを着用して扱うようにしてください。

肌に刺さると、チクチクする痛みを感じますが
水で洗い流せば取れます。

2 正確な量を混ぜ合わせる

FRP樹脂は、硬化反応時に熱を持ちます。
必ず硬化剤の添加量を守り攪拌しましょう。
正しい量を添加しないと、強度が出ない場合があります。

シートカウル塗装

FRP樹脂とパテで整形が完了したシートカウルを塗装していきます。

樹脂パーツは、鉄と比べ、塗料の密着が悪いので
必ずミッチャクロンを吹いて作業しましょう。

サフェーサーの塗布

まずは、サフェーサーを塗布します。
他のパーツを塗装する際と同様に、サフェーサーを塗布し
乾燥後研磨します。

表面と裏面を同時に塗るようなパーツは
このように吊るして塗装すると綺麗にできます。

サフェーサーを塗布すると、目立たなかった凹凸がはっきり見えます

この時点で、小さな凹凸は全て研磨して、平滑に仕上げましょう。

必要に応じて、ポリパテを付け、ピンホールやヘコミを埋めましょう。

ベースカラーの塗布

今回は、Mazda NDロードスターのマシーングレープレミアムメタリック 46G
を調色したので、塗装していきます!

メタルムラが出ないよう、肌を見つつ目指す色になるまで重ねます。
仕上げに、更に希釈したベース塗料でムラ取りをして完了です。

マシーングレープレミアムメタリック

なんだか、思っていた色と違います、
クリヤを張ると色合いも変わるのですが、もっと暗いグレーになるはず・・・

ここで路線変更です! 
せっかくの明るいメタリック下地ができたので、オレンジのカラークリヤを作り
流行りのキャンディー塗装に変更します!

ローザンオレンジ

全然、キャンディーオレンジじゃない・・・
いつものオレンジ色になってしまいました。

このままでは、エイプがオレンジ1色になってしまいます。

更に路線変更して、TOYOTA シエンタ 6W9を塗布することに・・・

TOYOTA 6W9

1日に3度色を変え、満足しましたのでクリヤを張り完成です。

オレンジのままで良かったのでは?と思いますが
もう一台ある愛車のデイトナ675がオールオレンジの全塗装をしているので
同じような色の車両を、もう一台作るのは、なんとなく面白くないので( ^ω^)・・・

エイプはレーシーなカスタムペイントを予定しています!

まとめ

FRP樹脂の補修方法を解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

カウルは割れてしまったり、傷が深すぎると新品を購入するバイク屋さんも多いです。
思っている以上に、FRP補修は簡単ですので、是非挑戦してみてください。

レースやジムカーナで、よく転倒する競技の方たちは、自分で修理されている方が多いです。

新品のパーツを買うより、安く上がりますし
自分で修理した分、バイクにもっと愛着が湧きますよ!

ご通読、ありがとうございました!

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