原付二種のピンクナンバーであるHONDAエイプ100は、50㏄バイクのように30㎞の速度制限もなく、50㏄と同程度の車格で扱いやすさに特化した便利な排気量のバイクです。
しかし気になるのは、車と同等以上のスピードで走ることができるのか・・・
30㎞の制限がなくなったとしても、通常の車のスピードより最高速度が遅ければ
交通の邪魔になりますし、毎度追い抜きをされるのも怖いですよね。
今回はエイプ100の最高速度についてと、最高速度を伸ばすカスタムについて解説します。
最高速度測定の条件
・障害物が無い300mテストコースの直線を走行
・吸排気系や駆動系のカスタムごとに速度計測
・加速力は考慮せず、最高到達速度のみを計測
この3つの条件でエイプ100の最高速度を計測します。
エイプ100の最高速度は何km?
この項目ではエイプ100の最高速度を純正状態やカスタムごとに計測しました。
エイプ100純正の最高速
エイプ100は純正状態で80㎞~90㎞ほどの速度が出ます。
この数値は純正メーターの針から読み取った数値です。
バイクのアナログメーターは誤差があるとしても+15%-10%と言われているので、誤差を考慮したとしても70㎞程度の速度は出ている計算になります。
これは平地で計測した数値なので、当然ですが坂道では最高速度が異なります。
エイプ100㏄+PC20キャブ+パワーフィルター+社外マフラーの最高速
100㏄の純正エンジンにケイヒンPC20キャブレターと、武川製のパワーフィルター、排気効率の良い社外マフラーを取付けた状態で最高速テストを行いました。
100㏄+PC20+社外マフラーの最高速は90㎞の速度を記録しました。
純正状態と比較して最高速度は同じという結果となりました。
最高速度までの到達は純正状態と比較すると早く、体感できるほど馬力もアップしています。
しかし、吸気と排気のカスタムは最高速度には影響が少ないようです。
ボアアップしたエイプ115㏄の最高速
ボアアップのみで、その他のパーツを交換していないという条件のテストでは
エイプ115㏄の最高速は90㎞~100㎞という計測結果になりました。
エイプ100のスピードメーターは90㎞表記なので、それ以上の速度は純正メーターでは読み取れません。
このテストではメーターを振り切ってしまったため、計測は社外メーターを使用した数値ですが
純正メーターとの誤差は+-5㎞ほどでしたので、エイプ115㏄は95㎞程度の最高速度で走行することができました。
ボアアップで本来得られる要素は馬力ですので、純正状態と比較した速度は+10%程度でしたが
後述する最高速度を伸ばすカスタムと合わせて使用することで、ボアアップのメリットを生かし最高速度を伸ばすことが可能です。
エイプ100の馬力とパワーウエイトレシオ
エイプ100の最高出力は7PSです。ちなみに現行のHONDAグロムの最高出力は10PSとなっており
エイプ100と比較すると高出力となっていますね。
パワーレシオって?
パワーウェイトレシオとは加速力の目安として用いられる指標のことで、車の重量に対して馬力の大きさを示す数値のことです。
一般的に、同じ馬力のエンジンでは車重が軽い方が加速性能に優れるため、パワーレシオは数値が小さいほど加速性能が優れているという指標になります。
パワーレシオの計算は車両重量÷出力で求めることができ、エイプ100のパワーウエイトレシオは12.42で、よく比較されるグロム125のパワーウエイトレシオは10.2となっています。
パワーウエイトレシオは数値が小さい方が加速性能に優れているため、グロム125の方に軍配があがります。
エイプ100の最高速度を伸ばすカスタム
バイクの最高速度を伸ばす有効なカスタムには鉄則があり
エンジン回転数×ギア比でバイクの最高速度は決まります。
よって最高速度を上げるには
・エンジン回転数を上げる ・ギア比を変更する ことが最も有効なカスタムです。
スプロケットの交換
スプロケットとはエンジンとタイヤを繫ぎ、パワーを伝える歯車のようなパーツです。
エンジン側のスプロケットをドライブと呼び、後ろ側のスプロケットはドリブンと呼ばれます。
スプロケットは車種によって歯の丁数が決まっており、丁数を変えることよって最高速度が伸びたり、加速性能が上がったりします。
ドライブスプロケットは丁数を増やすと最高速度が伸び、加速性能が悪くなります。
ドリブンスプロケットは逆に丁数を減らすと最高速度が伸び、加速性能が悪くなります。
最高速度を伸ばすカスタムをするならば、スプロケットを最高速度寄りの丁数に変更しましょう。
ボアアップ
単純な考え方ですが、エンジンパワーと最高回転数を上げれば、必然的に最高速度は上昇します。
エイプ100のボアアップパーツとして人気なメーカーは
・ヨシムラ ・スペシャルパーツ武川 ・SHIFT UP ・KITACO が有名です。
エイプ100のボアアップキットは115㏄ 125㏄のキットが人気で、いずれのメーカーも高品質な製品を提供しています。
しかし価格には差があり125㏄のボアアップキットは、高いボアアップキットですと中古バイクが購入出来てしまうほどの金額です。
しかし、その金額に見合うパワーを得ることが出来ますので、パワーに不満がある方は検討してみて下さい。
強化ヘッド・強化バルブスプリングに変更
上記でボアアップを紹介しましたが、このカスタムは排気量は変えず、最高出力回転数とエンジンの耐えられる最高回転数を上げるカスタムです。
バイクの速度はエンジンの回転がタイヤに伝わり生まれますので、最高回転数を伸ばすことで最高速度の上昇を狙うカスタムとなっています。
エイプの最高出力回転数は8,000RPMで、最高回転数は12,000RPMとなっています。
シリンダーヘッドを強化して最高回転数の上限を上げ、最高速度を伸ばすカスタムとなっています。
最高速度を上げるデメリット
限られた出力で、最高速度の上昇に特化させるということは、失う性能ももちろん存在します。
スプロケットの丁数の変更は、+-3丁程度がバランスを崩さない変更と言われており
スプロケットを最高速寄りの丁数に変更すれば、加速性能が失われます。
最高回転数を伸ばしても、高回転でのトルクが失われすぎると本末転倒と言えるでしょう・・・
バイクはバイクメーカーが乗り手にとって扱いやすいように設計されています。
メーカーの定めた出力を基準に強度設計や、制動パーツの選定、エンジン強度のバランスが考えられています。
最高速度を伸ばすためのカスタムを紹介してきましたが
バランスを崩し過ぎると乗りづらいバイクになってしまいますので、やりすぎに注意です・・・
出力特性を変えるカスタムは適度な変更に留める必要があります。
まとめ
エイプ100の最高速度についてと、最高速度を伸ばすカスタムについて解説してきました。
エイプは純正状態で80㎞~90㎞ほどの最高速度で走ることが可能です。
最高速度を伸ばすカスタムはいくつかあり、スプロケットの丁数変更や、エンジンのパワーアップで最高速度を伸ばすことが可能です。
ただ一つ、注意していただきたいのは
加速性能を犠牲にして最高速度を伸ばすような、出力特性を変更するカスタムは、やりすぎると乗りづらいバイクになってしまうので、注意が必要です。
自分の求める性能目指し愛車のカスタムに挑戦してみて下さい!
ご通読ありがとうございました!
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