バイクの押しがけ手順を紹介 キャブ車バッテリー上がりの最終手段

CB1000SF コラム
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バイクのバッテリー上がりで、セルが回らない、エンジンがかからない
なんて時に役立つエンジン始動方法が、押しがけです。

原付くらいの大きさの軽いバイクはもちろん
250㎏を超える大型バイクも押しかけは可能です。

押しがけとは? 原理を解説

バイクはバッテリーの電気の力を利用してセルモーターを回転させ、エンジンを掛けています。
バッテリー上がりなどで、セルモーターが回らないときに
人の力でエンジンをかける方法が押しがけです。

押し掛けとは、簡単に言うと人力でクランクを回し、エンジンをかける方法です。
リアタイヤに駆動の力をかけ、クランクを回せばピストンが上下運動し、プラグに火花がついて
爆発を起こしエンジンが始動します。
ひとたびエンジンが回れば、オルタネーターのフライホイールが回転し発電して
バッテリーに電気を供給し続けてくれます。

人間の力で、セルモーターの代わりをするのは、キック始動と同じですね。

押しがけのやり方とコツ

1バイクのキーをオンにして、2速にギアを入れます。

2 クラッチを握ってバイクを押します。
このとき全力で走りながらバイクを押します。バイクを押す速度が速いほど、大きな力でクランクを回すことが出来るので、全力で走りましょう。

3 クラッチを離してリアタイヤの動力を繫ぐ
リアタイヤの動力が繋がり、クランクが回るとエンジンがかかります。
このとき、車重の軽いバイクだとリアタイヤがロックしてしまいますので
バイクに飛び乗って、リアタイヤに体重を乗せてロックを防ぎましょう。

シート高の高いバイクは飛び乗るのが危険なので、リアタイヤがロックして
上手く押し掛けが出来ない時は、シートに体を預けて体重を乗せるか
1段ギアをあげて、3速くらいで挑戦してみて下さい。

4エンジンがかかったらクラッチを切りましょう
せっかくかかったエンジンがエンストしてしまわないように
クラッチを切って、少しアクセルを回します。
この時点でエンジンが正常に動いていれば、ニュートラルに入れて、押しかけ完了です。

インジェクション車だと、まず始動できない

インジェクション車での押しがけはできないと思っていいでしょう・・・
ジャンプスターターなどで、エンジンをかけるのが望ましいです。

インジェクション車はセルモーターだけでなく、インジェクター本体や
燃料ポンプやECUなども電気で駆動しています。
キャブレター車と比べ、エンジン駆動の際に使用する電力が大きいのと

比較的新しいインジェクションバイクでは、ECUを保護するため
プラグの点火やインジェクターの燃料噴射が行われないからです。

以前、CB1300SFのエンジンをかけようと
数人で押しがけしたことがありますが、全くエンジンがかかりませんでした・・・

インジェクション車のバッテリー上がりは、ジャンプスターターでエンジン始動しましょう。

押しがけのデメリットと危険性

結論からいいますと、押しがけでバイクが壊れるということはありません。

小さなデメリットが数点ありますので紹介すると

1 リアタイヤがすり減る
押しがけの際に、リアタイヤをロックしてしまい、アスファルトを擦ると
タイヤが擦りへってしまいます。
しかし、走行していると、すり減っていくものなので、気にせずともいいでしょう。

2 エンジンに負担が若干かかる
原理的にはエンジンブレーキを使用しているのと変わらないので
走行しているときと、大差ないですので、問題は無いでしょう。

3 押しがけ中に転倒する
飛び乗って体重をかける際や、押しながら走っている際には
バランスを崩さないように注意しましょう。

特に、バイクに飛び乗る行為は、エンジンがかからなければ、前に進む力が無くなり
そのまま転倒する可能性がありますので
飛び乗っての押しがけに自信が無ければ、やめた方がいいでしょう。

走る勢いと、体重を乗せることが必要な場合は、下り坂を利用するといいでしょう。

4 クラッチとアクセル操作を誤り、バイクだけ前に行ってしまう。
デメリットというより、最も危険な失敗です。

押しがけしてエンジンがかかると、トラクションが発生しますのでバイクは前に進みます。
このときに、すぐクラッチを切れば、押しがけは成功なのですが

クラッチを繫いだまま前に進み、焦ってアクセルを回してしまうと
バイクが走り出してしまいます。
手を離してバイクだけが走り出すなら、バイクが傷つくだけですが
ハンドルを握りしめたままだと、バイクに引きずられながら、暴走してしまいます。
これが最も危険なので、十分注意して
エンジンがかかればすぐに、クラッチを切ることを忘れないでください

まとめ

キャブレター車は少なくなり、押しがけをする機会は少なくなりました。

ですが、もしもの際に押しがけはキャブレター車の特権と言えます。

バッテリーが上がらないよう、管理するのは当然なのですが
外出先でバッテリーが上がってしまったら、押しがけの知識はとても役立ちます。

僕も、外出先でCB1000SFがバッテリーが上がってしまったとき
押しがけでエンジンを始動し、無事に帰宅することができました。

CB1000SFは260㎏ありましたので、手押しで走るだけでも大変でした。
何度も押しがけを失敗してしまい、真冬の夜中でも汗だくになりました・・・

押しがけの知識は自分のバイクだけでなく
ツーリング仲間がバッテリー上がりになった際にも役立ちますので
ぜひ、やり方を覚えてみては、いかがでしょうか?

ご通読、ありがとうございました!

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